「自分の肌質が分からない」と検索すると、診断ツールがいくつも出てきます。
Googleで「肌質 調べ方」を引くと、上位に並ぶ9件は解説記事か、各社が用意した診断ツールのどちらかでした(2026年9月29日)。答えるだけで、乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌のどれかを教えてくれます。
そこまでは、すぐ終わります。問題はその次です。
肌質が分かった状態で売り場に行っても、肌質では絞り込めませんでした。楽天の化粧水386出品を数えた結果を先に書きます。
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386出品のうち、肌質のことを書いているのは何件か
| 出品説明・商品名に書いてあったこと | 出品数 | 割合 |
|---|---|---|
| 肌質のことを書いていない | 240 | 62.2% |
| 肌質の名前を挙げている(乾燥肌・脂性肌など) | 138 | 35.8% |
| 「肌質を問わず」など、全部に当てる書き方だけ | 4 | 1.0% |
| 分からない(説明文がほとんど無い) | 4 | 1.0% |
楽天市場APIで2026年9月29日に取得した470件から、商品名に化粧水・ローション・トナーを含み、コットン・パック・空ボトルなどを外した393件、さらに目で1件ずつ読んでペット用4件・頭皮用1件・髪用1件・手指用のスプレー1件(顔の化粧水ではないもの)を外した386出品です。1出品に何回書いてあっても1票で数えています。「分からない」は、商品名にも肌質が無く、説明文が100字未満のものです。説明文の長さはこの386出品で中央値993字あるので、「書いていない」の大半は、読める長さがあって書いていないことになります。
3分の2近くが、肌質に触れていません。
名前を挙げていても、その多くは「文」ではなかった
ここが数えていて一番意外だった所です。
肌質の名前を挙げている138出品を、その名前が文の中にあるか、語の羅列の中にあるだけかで分けました。
| 名前の出てくる場所 | 出品数 | 割合 |
|---|---|---|
| 語の羅列の中にしかない | 78 | 56.5% |
| 文の中だけ | 35 | 25.4% |
| 文の中と羅列の両方 | 25 | 18.1% |
「文の中」というのは、こういう書き方です。
乾燥肌と敏感肌、カサつきがちな混合肌、ベタつきがちな混合肌
松山油脂 Mマーク アミノ酸浸透水の商品説明(サンテラボの出品・2026年9月29日に取得)
「語の羅列」というのは、こういう書き方です。
化粧水 保湿 敏感肌 乾燥肌 混合肌 脂性肌 グリセリンフリー さっぱり 低刺激 無香料 無着色
同じ商品の、商品名のほう
同じ1本が、説明文では文で書き、商品名では羅列にしています。羅列のほうは、検索で引っかかるための言葉です。
分け方は、肌質の名前の直後に助詞や「対応」「向け」「の方」が続くか、直前が区切り文字(空白・縦棒・中黒)でないかで判定しています。「乾燥肌の方へ」は文、「保湿 乾燥肌 メンズ」は羅列です。この分け方が正しく働くかは、14通りの見本で確かめました。
∴ 386出品のうち、肌質を文の中で書いているのは60出品(15.5%)です。
同じ化粧水の売り場を別の軸で数えたことがあります。男性用と女性用で本当に違ったのは「ひげ剃りの後に」の一言だけでした。売り場の言葉が、区分けの役に立たないのは肌質だけではありません。
挙げている肌質の数を数えると
名前を挙げた138出品が、いくつの肌質を挙げているかです。
| 挙げている肌質の種類 | 出品数 |
|---|---|
| 1種類 | 55 |
| 2種類 | 42 |
| 3種類 | 15 |
| 4種類 | 16 |
| 5種類 | 4 |
| 6種類(全部) | 6 |
2種類以上を並べているのが83件(60.1%)。6種類すべてを挙げている出品も6件ありました。1種類だけを挙げている出品は55件です。
挙げられている肌質そのものにも、偏りがあります。
| 肌質 | それを挙げている出品数 |
|---|---|
| 敏感肌 | 109件 |
| 乾燥肌 | 94件 |
| 脂性肌 | 36件 |
| 混合肌 | 31件 |
| 普通肌 | 19件 |
| インナードライ | 15件 |
敏感肌と乾燥肌に寄っています。1出品が複数に入るので合計は386を超えません(延べ数です)。脂性肌や混合肌と判定された人ほど、名指しされている出品が少ないことになります。
乾燥肌と脂性肌を同時に挙げている出品が30件
診断ツールは、乾燥肌と脂性肌を別のものとして分けます。水分と皮脂のどちらが足りないかが逆だからです。
その両方を同時に挙げている出品が、386件中30件(7.8%)ありました。
両方に当てている時点で、その言葉は絞り込みに使えません。
この数え方で分からないこと
数えたのは「その肌質の名前が書いてあるか」です。「その肌質に向けて売っているか」ではありません。
- 打ち消しが読めません。「乾燥肌でなくてもお使いいただけます」も、乾燥肌1件として数えています
- 書いていない240出品が「どの肌質にも向かない」わけではありません。書いていないだけです
- 容器や箱に書いてある可能性は、数えていません。数えたのは通販の商品ページの文字だけです
では、何を手がかりにするのか
肌質を調べること自体が無駄だった、という話ではありません。調べた結果を、売り場の言葉と突き合わせようとすると空振りする、という話です。
手元でできることは2つあります。
1. 商品名の羅列は読み飛ばす。商品名の後半に肌質が4つ5つ並んでいたら、それは検索用の言葉です
2. 説明文の中に、肌質が文で出てくるかを見る。「◯◯肌と◯◯肌の方に」と書いてあれば、作った側が想定を書いています。386出品では60件だけでした
そして、売り場ではなくメーカーの側で判定を受けるという手があります。
オルビス スキンチェック
で
いくつかの質問に答えると肌の傾向が出ます。診断のあとに、無料のスキンケアサンプル(洗顔料・化粧水・保湿液)を申し込む形です
売り場の商品名ではなく、作っている側の判定を先に受けられます。この記事で数えたとおり、売り場の言葉は肌質で絞れるようにできていません
オルビスを初めて使う人向けです。判定はオルビスの基準によるもので、他社の診断と同じ結果になるとは限りません
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数えた386出品から、両側の見本を1本ずつ
1つの肌質だけを挙げていた側
d プログラム ローション EX 110mL / 125mL
で
商品名に「[化粧水 敏感肌対応 うるおいケア]」。挙げているのは敏感肌だけで、ほかの肌質の名前は商品名にも説明文にも出てきません
肌質が1つだけ書いてあるので、診断の結果と突き合わせられる数少ない側です
書いてあるのは「敏感肌対応」という表示の事実までです。合うかどうかは別の話です
文の中で、全部の肌質に当てている側
松山油脂 Mマーク アミノ酸浸透水 200mL
で
説明文に「性別や年齢を問わず、家族みんなで使える」「脂性肌とベタつきがちな混合肌、敏感肌までさらりと保湿してくれる」。商品名のほうは「化粧水 保湿 敏感肌 乾燥肌 混合肌 脂性肌」と羅列です
全部に当てていることを、文で書いています。絞り込めないことが読んで分かる形です
肌質で選びたい人にとっては、手がかりになりません
この記事の数字について
楽天市場APIで2026年9月29日に取得した化粧水386出品を数えたものです。集める検索語には「肌質」「乾燥肌」などを入れていません(測りたいものを集める条件にすると、数字が高く出るためです)。
数え方とその検証は 09_データ/集計/031_count.py にあり、28通りの見本で分け方が正しく働くことを確かめています。
価格とレビューは取得日時点の値で、変動します。購入前に販売ページでご確認ください。


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